２楽章
Ａｌｌｅｇｒo ソナタ形式
４小節の非常に印象的な序奏に続いて第１主題が提示されます。ピアノ譜はメロディが読みにくいので少し書き換えました。
楽譜１（４小節）
ソナタ楽章の第１主題として、新しくM2が提示されます上向音型の動機を重ねた構造を持つ強い衝動のような力を持つ主題です。M2はモティーフではなくフレーズと呼ぶのが正しいのでしょうが曲全体としては３つの音型をまとめたようなＭ２が使われます。この主題はピアノで提示され、ヴァイオリンとのユニゾンで確保されます。その後下記の経過部が続きます。
楽譜２（２４小節）
そしてppのヴァイオリン始まる楽譜３のフレーズを挟んで主題がもう一度徹底されます。
楽譜３（３０小節）
このppのフレーズを用意するために、ピアニストは苦労すると思います。楽譜に従えば２６小節に始まるcresc.は２９小節のdim.subitoで急激にｐｐにするのですが、in tempo でこれを行うのは至難ではないでしょうか。
そして３４小節でｆｆの第一主題戻りますが、４４小節から突然ファンファーレのように、第１楽章の基本動機であるM!1がsempre forte e appassionatoで勝ち誇ったように鳴り響きます。１楽章の不安な問いかけから一変して、問いは正しかったといっているようです。リタルダンドを経て第２主題部に接続します。
楽譜４（４４）
第二主題は切迫した衝動を感じる第１主題に比較して、とても自由でのびやかな感じがします。ヴァイオリンによって一筆書きのように１９小節にわたって歌われます。
楽譜５(４８小節）
上記の第２主題はrallで６６小節で終止します。そしてpoco piu lentoでヴァイオリンにより導入される楽譜６のフレーズにより提示部の結尾部が始まり第２主題の余韻を漂わせて提示部を終えます。
楽譜６(６７小節）
展開部：
展開部は、形式的な提示部終わりにある反復記号を省略して特別な工夫をして反復した感じをだすことに成功しております。
下記のように提示部の第一主題を４つの二分音符でquasi lentoであらわしています。この後に提示部で使用した結尾部を使用して、提示部全体を想起させてソナタらしい形式感を出しています。
楽譜７（８０小節）
引き続いてTempo I allegroで本格的な展開部が９４小節から始まります。
フォルテで演奏される動機Ｍ２に対して強いコントラストをもったレシタティーボ風のヴァイオリンが呼応する組み合わせで展開されます。いったん終止したのち第一主題が提示部の形式で展開され、そして第２主題がピアノで現れた後、第一主題の動機を使ったストレッタの部分が続き１３６小節で、再現部に接続します。
再現部：楽曲分析表のように、多少の変化はありますが再現部は提示部をソナタの形式に従って、再現しております。
コーダ部：
コーダは第一主題から導かれた楽譜８により、だんだん切迫してゆきます。その後、変形された第１主題が歌われ、それに続いて２１７小節から第１楽章のＭ１がクライマックスで演奏されます。そのあともピアノが半音階的姿を変えた上昇する４つの音を切迫した感じで演奏して、華やかに第２楽章を終了します。
楽譜８（２０２）
| 2nd Movement | ||||||
| Exposition | Introduction | 1 | – | 3 | 3 | |
| Theme1 | 4 | – | 13 | 10 | Main Theme of 2nd Mov | |
| Theme1 | 14 | – | 23 | 10 | ||
| Passage1 | 24 | – | 29 | 6 | ||
| Passage2 | 30 | – | 33 | 4 | ||
| Theme1 | 34 | – | 43 | 10 | ||
| Passage3 | 44 | – | 47 | 4 | from M1 | |
| Theme2 | 48 | – | 67 | 20 | Free Malody ends by M1 | |
| Closing | 66 | – | 79 | 14 | ||
| Development | Thema1 | 80 | – | 87 | 8 | Abidged Thema1 Basic Motive M2 |
| Closing | 89 | – | 93 | 5 | ||
| Thema1 | 94 | – | 101 | 8 | ||
| Closing | 102 | – | 109 | 8 | ||
| Theme1+ | 109 | – | 116 | 8 | ||
| Theme1+ | 116 | – | 127 | 12 | ||
| Thema2 | 127 | – | 130 | 4 | ||
| closing | 130 | – | 137 | 8 | ||
| Recapture | Theme1 | 138 | – | 147 | 10 | |
| Passage1 | 148 | – | 153 | 6 | ||
| Passage2 | 154 | – | 157 | 4 | ||
| Theme1 | 158 | – | 167 | 10 | ||
| Passage3 | 168 | – | 171 | 4 | from M1 | |
| Theme2 | 172 | – | 191 | 20 | ||
| Closing | 191 | – | 202 | 12 | ||
| Coda | Theme1 | 202 | – | 217 | 16 | |
| Closing | 217 | – | 222 | 6 | ||
| Coda | 222 | – | 229 | 8 | ||