初心者のための演奏解釈: Mozart 弦楽四重奏曲 ハ長調 K.157 1楽章

室内楽を始めた方が必ずと言ってもよいほど経験するモーツァルトの弦楽四重奏曲 ハ長調です。皆さんが良くさらってきていて、全楽章が止まることもなく楽しい演奏ができたとしましょう。「それじゃ次へ行ってみましょう。」ではもったいないのです。
「それでは1楽章をもう一度通してみましょう。」「それでは、、」 このような風景が良く見られます。
弦楽四重奏の欠点は楽しすぎるところかもしれません。四つの楽器が和音を鳴らしているだけで十分に幸せになってしまうのは問題かもしれません。

さっそく本論に入ります。
まず、下記の楽譜をごらんください。この曲です。

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Beethovenの弦楽四重奏曲 強弱記号と発想記号

ベートーヴェンの弦楽四重奏の強弱記号や発想記号について調べてみました。
初期の弦楽四重奏については、当時の一般的な記述の範囲で書かれています。

中期以降は発想記号の書き込みが細かくなってきますが、強弱については、ff, f, p, ppにたいして、いくつかの強弱記号を追加しています。

後期の段階では、ff piu f, f,  p, piu p, pp の6つの段階を通常の表現として使用しています。mfの使用は、ラズモフスキー1番の冒頭のチェロに対する指示が初めてですが、ほかにはOp.130 3楽章 24小節で1小節の中に次の5つの発想記号が書かれています。poco f, mf, p cres mf。しかしmfは例外的であり、全体を通じてあまり使用されておりません。 pppについてはOp.18-1,  Op.74の3楽章でsempre piu p ——ppp(415)として使われ、Op.95の終楽章 132小節でpp pppとして使われています。後期では使用されていません。

 

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フォーレ ピアノ五重奏曲第1番 3楽章

第3楽章 Allegretto moderato
自由な形式で書かれているが、ロンドのように聞こえる部分もありますが、単一主題によるソナタ形式と理解する方がわかりやすいと思います。
ここではソナタ形式として解説します。

非常に個性的で美しい主題です。この主題は分解されて徹底的に使用されます。楽譜1は使用されている主な動機を示していますが、リズムの特徴を使ったり、また、順次進行を跳躍に拡大したものなどほかにも沢山あります。
楽譜1 1小節~
FaureP5No10301では、初めから見てゆきます。
 

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