AdMaestroを使うときには、ぜひスコアを詠みながら指揮をしていただきたいと思います。
前回は弦楽五部についてファーストヴァイオリンの位置がすぐわかるようになること、そしてとにかく最後まで目で終えるようになることをやってみようということでした。
余裕ができたら、チェロバスを見てください。一番したのパートです。
チェロとコントラスは同じ楽譜を使うとご説明しましたが、実際に同じ音を弾いても、コントラバスは記譜された音よりも1オクターブ低く響きます。
バロック時代の初期ぐらいからコントラバスはヴィオローネという名前で合奏に参加していますが、伝統的にチェロと同じ楽譜を使います。
コントラバスのパートが独立するのはベートーヴェンの時代になってからですが、現代でもチェロバスが同じ楽譜で書かれることはあります。
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音楽を演奏中に自分はどこで何をしているのか意識したことがありますか?
指揮者だタクトを振り始めたから弾き始めて、曲の終わりまでくればおしまい。曲が短ければよいのですが、長くなってくると後何ページあるのかわからないなんてことはありませんでしょうか。
今回は「どこにいるのか。」の重要性をご説明します。ソナタが一番説明がやさしいのですが、古典的で模範的なソナタ形式は提示部、展開部、再現部とコーダに分かれます。そして提示部の終わりには大体反復記号が付いています。再現部は提示部が繰り返されますので、どこからが再現部かは簡単にわかります。コーダの入りは再現部の終わりです。提示部と同じような終わり方をしてコーダに入るのが普通ですから、これもわかります。
指揮をするにせよ、演奏するにせよ、きっちり構成された音楽でどこのあたりを演奏しているかを、はっきり把握していることは大事です。
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アドマエストロを使い始めた方で、少し真剣に音楽と付き合ってみたいという方のための記事です。
モーツァルトのアイネクライネのスコアを入手してください。楽譜屋さんから入手できますが、IMSLPからダウンロードすることもできます。IMSLPでサイトを検索、サイトの検索欄でEine Kleine Nachmusikを検索し、Scoreをダウンロードしてください。譜めくりが間に合わないので必ずプリントアウトして紙の状態で使ってください。
上の楽譜のようになっています。すべてのスコアはこの弦楽五部を基本にしており、管楽器などほかの楽器は上に追加されてゆきます。この曲はチェロとコントラバスが同じ譜面4段譜です。
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私どもの定期演奏会に来てくれていたお客様から、子供たちの伴奏をしてくださいと申し込みがありました。小学校の卒業記念の発表会なのですが、小学6年生の子供が4人ということでした。曲はコレルリ:ラフォリア、クライスラー(フランクール):シシリアーノとリゴドン、エクレス:ソナタ メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 2,3楽章。以上を弦楽合奏の伴奏にしてお願いしますということでした。コレルリ、クライスラー、エクレスはチェンバロを入れた通奏低音付の編成で編曲しましたが、メンデルスゾーンは弦楽合奏だけではだめですので、AdMaestroを使用することにしました。
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私はアドマエストロを開発する前に、プレイ・アロングCDなどをいろいろ使用してみました。Minus One 社のCDを一時弊社で販売したこともありました。同じ種類であるカラオケに比べて満足感は大変小さいと思いました。その理由はクラシック音楽の方が自由度が高いというか、自由に演奏することを非常に大事だと思っているからだと思います。そしてオーケストラがソリストに合わせるのが当然だと思っているからです。その点が新しい分野として開発されたカラオケと大いに違うんでしょう。
マイナス・ワンの一番良い使い方は、もちろんAdMaestroの音源として使用することです。これならばソリストに合わせることができますからうまくゆきます。モーツァルト、ショパン、シューマンのピアノ協奏曲を演奏してみました。 でも実際にどのくらいうまくゆくかというと、音量に対するいろいろな配慮が必要です。
続きを読む マイナス・ワン またはプレイ・アロング・CDの使い方 →
手前味噌で恐縮ですが弊社のAdMaestroはすごい効果があります。それは指揮者と同じように拍をしっかり示さないと演奏にならないからです。
ベートーヴェン 交響曲3番「英雄」は一つ振りで編集してあります。はじめは調子が良いのですが、主拍に音がないところがたくさん出てきます。第1主題の提示がすんでからの経過部の話です。
このようなところで、振り間違えると音楽がぐしゃぐしゃになるのがAdMaestroです。何度もやっているときれいに音楽が進むようになります。スコアを見ながら振ることをお勧めします。
是非試していただきたいと思います。
3月1日にAdmaestroを使ってメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を本番をやる予定になっています。2楽章と3楽章です。8人くらいの弦楽合奏+マイナス・ワンの組み合わせでやります。ソリストは小学6年生です。彼女はプロになることを目指しているわけではなく、そのようにヴァイオリンを習っているわけではありません。音量は小さいですし、テンポもかなり遅いのは仕方ありません。でもピアノ伴奏で弾きたくないというお話があってこのような企画が生まれました。
キネクトをセンサーに使ったヴァージョンでやるのですが、舞台の照明の影響を受けやすいのでどのようにするか考えています。しかも通常の演奏から2割以上テンポを下げているので歪や誤動作が起こりやすい範囲です。つまり最悪の条件になります。
でも、AdMaestroはこのような夢を現実にしてゆくために作られたソフトです。高いハードルですが素晴らしいチャンスを与えていただいたと思っています。明日は9時から練習なんです。
AdMaestroのPC版は実用的な指揮ツールを目指していますが、Intel RealSense App Challenge 2014 https://realsenseappchallenge.intel.com/landing/ というアプリケーションのコンペにファイナリストとして残っております。いろいろな書類やアプリケーション以外に5分間のデモビデオを提出しなければなりません。実際の弦楽合奏とアドマエストロを組み合わせて練習の行うのですが、キーボードやマウスを一切使わずに、人間とコンピュータの両方が理解できる、音声と手振りにより、指揮以外の操作を行ってゆきます。試作品の段階ですのでトラブルもたくさんありましたが、何とか本日ビデオにまとめることができました。
for the true, the good, and the beautiful