Brahms Piano Quartet No.2 楽譜比較

ブラームスのピアノ四重奏の出版社による楽譜の比較を行いました。
楽譜として手元にあった、Henle, IMC, Eulenburgを使用しました。Peters版も参考にしました。
Henle版は序文とコメントがあり小節数も表示してあり使いやすい楽譜です。IMC版は練習記号と小節数が表示されこれも使いやすい楽譜です。ペータース版は、練習番号だけですので少し使いづらい面があります。

ヘンレ版の前書きによれば、楽譜ソースとしては手稿譜、出版のもとになったブラームスによる弦楽パート譜、ブラームスの書き込みがあるジムロック初版です。この作品については手稿譜がしっかりしているのでこれが基本になっているようです。
初版と手稿のもっとも大きな差異は1楽章の再現部ですが、手稿では出だしと同じですが、初版では1オクターブ下で再現され和音も薄くなっています。このような変更は作曲家でなければできないものなので、この部分はどの出版社も初版をベースにしております。

以下の表に詳細な比較をしておりますが、ヘンレ版とIMC版で大きく異なる点は1楽章の再現部の弦ですが、IMC版には<>があります。参考にペータース版も<>があります。Henle版、Eulenburg版にはありません。解釈に影響があると思います。2楽章は大きな差異はないと思います。3楽章246小節の1括弧です。これは楽譜が違うのでどちらを採用するかではっきり結果が違います。PetersはIMCと同じです。4楽章は大きな差異がないと思いますが191小節のVnの<の位置がHenle,Petersは1拍目からで、IMC、Eulenburgは<が4拍目からです。これもどのようにするか迷うところだと思います。

1楽章          
小節数 パート Henle IMC Eulenburg
218 2-3 Vn,Va,Vc 無記号 <>がある 無記号
2楽章          
小節数 パート Henle IMC Eulenburg
24 2-4 Vn 2-3拍で< 2-4拍で< 1-4拍で<
30   Vn 一つのスラー スラーを2つに分割 一つのスラー
31   Vn 一つのスラー 1-2拍だけにスラー 一つのスラー
53   Vn,Va,Vc Vn,Va,Vc 3,4拍に< Vn,Va,Vc 3,4拍に< Vn,Vaは34泊、Vcだけは1-4に<
89   Vn,Vc <だけ <> <だけ
127   Vn スラーがない 1,2拍、3拍、4拍にスラー 1,2拍にスラー
144   All 1拍 cresc 、2-3拍< 2-3拍で< 各パートで異なる
3楽章          
小節数 パート Henle IMC Eulenburg
209-210   Vn,Va,Vc 209-210に< なし なし
214、282など   Vn,Va,Vc 1拍だけスラー 2拍目にスタカートとスラー 1拍だけスラー
246 3拍 Vn,Va,Vc 3拍目は休符 3拍目にA音がある。 3拍目は休符
291,292   Vn,Va,Vc HNの解釈でStaccをつけている なし なし
4楽章          
小節数 パート Henle IMC Eulenburg
33   Vn,Va,Vc poco f pf pf
63、64   Vn,Va,Vc HNの解釈でPiano と同様にp、cres.を加えている なし なし
67   Vn,Va,Vc HNの解釈でPiano と同様にfとしている なし なし
154   Vn  mf なし なし
191   Vn 1拍から< 4拍に< 4拍に<
238   Vn,Va,Vc accent なし accent あり accent なし
309   Vn なし cresc, cresc.
502   Vn 8va ad lib. ad.libの記述なし 8va ad lib.

 

 

 

 

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