ガンバとヴァイオリンの両方を弾いているうちに気が付いたのですが、何々ができるからバロック弓はこのように持つというのは後付のような気がします。
トレブル・ガンバとヴァイオリンの弓は後期ルネッサンスでは同じ物です。そして、おそらくはガンバ弾きが使った弓を、そのままヴァイオリン弾きが流用することが良くあったと思います。その時にヴァイオリン弾きがフロッグの所を持ちたくても、ガンバ弾きは毛の根元を持って弾きますから、手の油が付いていて音が出ません。だからヴァイオリン弾きは松脂の乗っているところを使って弾く以外になかったのだと思います。
現代のようにガンバ弾きとヴァイオリン弾きが完全に別れてしまい、それぞれ専門化した時代には考えられない荒っぽさですが、実際にはこのようではなかったかと、自分の経験を踏まえて考え付きました。チェロとバスガンバについても同様です。
写真では弓の根元が少し汚れているのが良く見えませんね。
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