スコアの使い方(3)

スコアを見ながら曲を聴いたり、アドマエストロで振れるようになったとして、次に何をするのでしょうか?全体の構造を把握するというを行ってゆきます。「自分がどこで何をしてるんだろう」という投稿も併せてお読みください。 アイネクライネでいうと、提示部は55小節までです。展開部は75小節までです。再現部は76小節から131節までです。コーダは132小節から最後までです。
 

なぜ分けて聞く必要があるかといえば、モーツァルト自身がそのように分けて考えているからです。指揮をしながら自分が展開部を振っているのか、再現部を振っているのかということは重要です。展開部にいるならば、全体の方向性として、どのように効果的に再現部に入るかを考えるからです。曲について考えるということはこのようなところから始まります。

以上のような認識ができれば、さらに部分を考えてゆきます。
提示部を例にとります。提示部(55小節)を二つに分けるならば、どこからでしょう。
下の4つから選んでください。

A (11小節から)

ScoreReading04B (18小節から)
ScoreReading05C (28小節から)
ScoreReading06D (35小節から)
ScoreReading07

28小節からが正解だといえますが、35小節も一理あると思います。11小節は半分よりも大分前すぎますし、18小節か曲が分かれている感じはしないと思います。28小節は前の部分をはっきり楽想に区別があります。

楽曲分析の例など読めば、28小節から第2主題部と書いてありますから、簡単ですが、自分で楽譜を見て、音楽を聴いて考えることが大事だと思います。

ここでは記載しませんが、さらに部分を細分化して、その部分とほかの部分の関係を考えてゆきます。この作業をとおして、作曲家の残した発想記号などを丹念に眺めてゆくと、自分はこのような演奏解釈をするという結論に至ると思います。

 

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