セカンドヴァイオリンについて 上達法

弦楽四重奏ではファーストヴァイオリンがリーダーシップを持ちます。世の中ではファーストヴァイオリンよりもセカンドヴァイオリンが好きな方が沢山います。

理由はいろいろあるのでしょうが、ビジネスの世界でもリーダーシップを取りたいと思う人は割合に少ないことを思えば、謙遜しているというわけではないようです。

セカンドヴァイオリンの一番のメリットは練習をあまりしなくても音楽を十分に楽しむことができるという点にあると思います。誤解を避けるために補足すれば、ある人が演奏会でファーストヴァイオリンとセカンドヴァイオリンの両方を弾くとしたら、恐らくファーストヴァイオリンの練習に使う時間はセカンドヴァイオリンの10倍以上になると思います。

そうは言うものの、やはりまともに弾けないと仲間に入れません。最低限さらうことは何でしょうか?
それは、音程、リズムと音量です。音楽的なことについては別に考えてみましょう。

 

音程からご説明します。
ファーストポジションで、平均律による正しい音程を出すことが基本です。これができれば第一段階は卒業です。これぐらいはできていると思うでしょうか?

まず、チューナーを使って4弦を正しく調弦してください。あなたの思っているととよりもD,G線は高めに合わせる感覚です。

次にハ長調でG線の開放弦からファーストポジションで弾ける範囲の音階を、チューナーで一音ずつチェックしながら、弾いてみてください。そのときC,F,Gつまりハ長調の主音、下属音、属音は特に注意してください。
これがしっかりできればかなり素晴らしいです。因みにFis-durとGes-durは同じ音階ですが、ヴァイオリンでは指使いが違います。上記と同じことをやってみてチューナーにぴったり合わせられる人は数少ないと思います。ファーストポジションでの基本的な音感を身に着けて、チューナーに頼ることなく正しく演奏できることが非常に重要です。

リズムについて:
セカンドヴァイオリンの楽譜を使う必要はなく、エチュードや普通のヴァイオリン曲でよいのですが、メトロノームに合わせて弾いてください。合奏でのリズムの基本は他人のテンポに合わせて演奏できることです。
だから、メトロノームを色々なテンポに合わせて練習してください。4拍子の曲の場合、4分音符を一拍に取ったり2分音符や全音符を一拍に取ったりします。自分のテンポに固執せずに、与えられたテンポを正確に、または自由に分割できる力が必要なのです。

音量について:
私の経験ではセカンドヴァイオリン氏の音量は大きすぎるか、小さすぎるかのどちらかでちょうどよい音量には中々出会いません。ほかの楽器が独奏をしているときは、その楽器の表現力に可能性を与えるために、音量はかなり控えます。全員で大きな音を出すときは、特に内声部の力強さは、正確な音程とともに重要なのでしっかりと音を出します。
ヴァイオリンはなんとなく弾くと70~75フォン位の音量が出てしまいます。フォルテに相当するのは75フォン以上で、ピアノに相当するのは70フォン以下です。だから普通に音を出すと必要な表現に対して常にふさわしくない音量になってしまうのです。

弓への力の入れ具合ですが、これは右手首の回転によって与えられるのですが、例えば弓が弦を押す力で考えてみますと、フォルテを4とした場合フォルテとピアノの中間の音量は2となり、ピアノは1になります。弦に与えるエネルギーと音量の関係は対数的です。

弦上の決まった1点を同じ弓の速さで弾いて、だんだん圧力を強くかけてゆくと、音は貧弱な音からだんだん強くなり、最大音量となり、だんだんつぶれた音になり、最後は失音します。音色もそれにつれて変化します。駒から離れた1点の最大音量と駒に近い1点の最大音量を比べると駒に近い位置の方が大きな音が出ます。駒の上では音は出ません。同様に弦の長さの半分の位置でも全く音は出なくなります。

ヴァイオリンには以上のような性質があります。ご自分の楽器を試してみてどこまでが使用可能かということを見極めたり、色々確かめるとともに、音量の感覚を養ってください。

 

 

 

 

 

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