セカンド・ヴァイオリンの役割とは?
16世紀後半から17世紀にかけて、弦楽器は声楽をサポートするために各声部をなぞる形で使用されました。当時はヴィオールの方がよく使用されたと思いますが、ヴィオールならば2台のトレブル、2台のテナー、1台のバスが使用されたと思います。ヴァイオリン属ならば2台のヴァイオリン、2台のヴィオラ、チェロの構成になります。
この時代にはポリフォニーを基調にしているので、セカンドヴァイオリンに相当するパートは割合に独立していました。
17世紀初期に台頭したオペラなどの影響により、より劇的な表現が必要になり、対として使用される管楽器のようにヴァイオリンも扱われることが多くなり、セカンドヴァイオリンはファーストヴァイオリンに従属する場面が多くなりました。
方や、バロック室内楽の代表的な形式である、トリオソナタは基本的に2台のヴァイオリンと通奏低音の編成であり、2台のヴァイオリンは基本的には独立して使用されました。
バロック音楽の時代にオペラの伴奏形式として整ってきた弦楽5部(Vn1,Vn2,Va,Vc(Cb))の編成では、セカンドヴァイオリンはヴィオラとともに内声部を構成して、いろいろなエフェクトを提供する役割も求められました。これはヴィオラがチェロから独立するに従って重要な機能になってきました。
このような経緯からセカンドヴァイオリンというのは歴史的にも多くの役割を果たしてきたと言えます。
弦楽四重奏の成立以降については上記の役割をすべて含んだ形でセカンドヴァイオリンの楽譜は書かれています。
従って、自分がどのような役割を果たすべきかを瞬時に判断しながら演奏できることがとても重要であり、従って音楽性を最も表現しやすいパートということになります。