バッハの演奏解釈

バッハのヴァイオリンソナタ第1番 ロ短調 BWV1014 を弾いてみようと思うのですが、どうしてよいかわからないのです。バロックの作品の演奏解釈となると、装飾音のことなどが話題に上りますが、現代ではほぼ解釈の方法が確立しているような感じです。装飾音や、和声の問題は知っておくべき常識のようなもので、わきまえている必要は大いにありますが、バロックだからと特別に解説するようなことは少ないと思います。

音楽は作曲から徴収へのメッセージですが、バロックの時代には、もちろん音楽が芸術だという感覚は実用的な用途に合うように作曲されたものであり、宗教音楽では、宗教的な儀式をより効果的にするため、そして世俗的な曲については聴衆を楽しませるために作曲されたものです。

古典派以降の音楽はクラシックという確立した様式を基礎にしているので、道筋の立った手法があると思いますが、クラシックの様式をバロックに使用するのは無理なことだと思います。そのような意味でどうしてよいか迷っています。

とりあえず1楽章から手を付けることにします。Adagio

第1部
1-11  冒頭の4小節は主題の提示というよりも、バスとチェンバロの右手によるパターンの提示のようです。6小節のVnによる16分音符によるフレーズでe-mollに転調します。そして8小節のVnによる16分音符によるフレーズでh-mollに転調し、11小節でしっかりとh-mollで終止します。

しかし12小節からはfis-mollにすぐ転調します。その後VnによるダブルストップのフレーズがA-durで始まりf-mollに転調して20小節でf-mollで終止します。

第2部 20-31
第1部は20小節で終止しますが、同時に冒頭のリズムパターンがチェンバロにより提示され、21小節で同じパターンがヴァイオリンとバスに引き継がれます。これで冒頭に戻ったような形式感があらわされています。ここからは冒頭のパターンを縮小したような形で使用して、少し切迫した感じが出ています。そして27小節から前半で使用したヴァイオリンによるフレーズが始まり31小節でh-mollに終始します。

コーダ 31-36
31小節h-moll,32小節e-mollで冒頭のパターンを変形して再現したところで、ヴァイオリンの印象的なソロに続いてしっかりと曲を終わらせます。

どのように演奏したかは演奏が終わった後ご報告します。

第2楽章 Allegro

BachVnSonataBWV1014-0101

テーマの扱い方を見てゆきます。

第1部:提示部

1-4 h-mollによる提示(Vn)
5-8 fis-mollによる提示(Cem)
12-15 h-mollによる提示 (Bass)
15-26 テーマに続く音型を使用した自由な経過
27-40 h-mollによる提示(Vn)と自由な展開

第2部:テーマの展開
41-52 テーマの冒頭を和声的に使用した自由な展開
52-61  Bass(d-moll),Cem(a-moll),Vn(e-moll)によるテーマの提示
62-102  冒頭の音型に導かれた自由な展開。89小節からはfis-mollでCem, Vnの順でテーマが現れてfisが長く演奏されて調整の安定が図られて、101小節でfis-mollで終止する。そのごバスに導かれて再現部が続く。

第3部:テーマの再提示
102-105 h-mollによる提示(Vn)
106-109 fis-mollによる提示(Cem)
113-116 h-mollによる提示 (Bass)
116-126 テーマに続く音型を使用した自由な経過
126-141 h-mollによる提示(Vn)と終止。

上記のように明確に3部分に分けられており、第3部は第1部と同じ構造です。

このような構造ならば

 

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