自分がどこで何をしてるんだろう (1)

音楽を演奏中に自分はどこで何をしているのか意識したことがありますか?

指揮者だタクトを振り始めたから弾き始めて、曲の終わりまでくればおしまい。曲が短ければよいのですが、長くなってくると後何ページあるのかわからないなんてことはありませんでしょうか。

今回は「どこにいるのか。」の重要性をご説明します。ソナタが一番説明がやさしいのですが、古典的で模範的なソナタ形式は提示部、展開部、再現部とコーダに分かれます。そして提示部の終わりには大体反復記号が付いています。再現部は提示部が繰り返されますので、どこからが再現部かは簡単にわかります。コーダの入りは再現部の終わりです。提示部と同じような終わり方をしてコーダに入るのが普通ですから、これもわかります。
指揮をするにせよ、演奏するにせよ、きっちり構成された音楽でどこのあたりを演奏しているかを、はっきり把握していることは大事です。

 

音楽には主題というものがあります。主題は論文などのテーマと同じことで、一番伝えたいことです。一番伝えたいことを強調し印象付けるように作曲家は工夫します。どのようにするかというと、大きく分けると二つしか方法はありません。何度もしつこく言い続けるか、話をそらせてからもう一度主題に戻って説明するかです。

ソナタ形式の場合には: 提示部でまず第一主題を2度続けて聞かせて、そのあと第2主題で目先を変えていったん曲を終わった感じにして、ここまでの部分をリピートをします。そして展開部では第一主題を主に使って説明して、再現部で第一主題を2度続けて聞かせて、そのあと第2主題で目先を変えていったん終わった感じにして、コーダで全体を閉じます。とても説得力のある構造です。

いま自分が構造上のどこにいるのは、応接室にいるのは台所にいるのかを知ると同じぐらい重要です。それは居場所により振る舞いも変わるからです。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です