バロック音楽(415の会)を楽しもう

415の会について少しお話させていただきます。私は2009年ごろから古楽器による演奏に興味を持つようになりました。それまでもバロック音楽は大好きでしたがモダンの楽器の方が良いと思っておりました。古楽器への興味はヴィオラ・ダ・ガンバから始まりました。どうしてこの楽器が滅びてしまったのかが不思議で自分でその理由がわかりたいと思ったからです。
 

そのためにトレブル、テノールそしてバスガンバを5台購入して、いろいろ試してみることにしました。興味がありそうな友達を引っ張り込んでガンバ・コンソートから始めました。フレットがある楽器なので習得はあまり難しくなく、3か月ほどで何とかコンソートが楽しめるようになりました。楽譜はルネッサンス後期の声楽曲のものを使いました。なかなか楽しいものでした。しかしのっぺりとした合奏になるので、リコーダー2本、クルムホルン2本と打楽器を加えました。 それでもこれらの合奏は魂の抜けた感じがします。それは声楽パートがなかったからです。それなら SATBを加えてみようと友達にお願いすることになりました。でもどうしてもリュートがないとぴんと来ません。こうして1年ぐらい過ぎてド素人集団によるルネッサンス音楽の演奏会を開きました。全員が1年以下の経験です。それ以降は一段落して、皆さんの力が上がってきたので、ダウランドやシンプソンなどのコンソートをやるようになりました。この過程で、私の古楽へのアプローチが決まったような感じがします。

どのパートについても専門家を呼ぶことはついにしなかったのです。理由は、現代のような傑出した専門家がそろってアンサンブルをやれるのはヴェネツィアかローマかフィレンツェのようなところだけでもありえなかったはずで、適当に掛け持ちをしながらやっているのが常態だと思ったからです。
そして、うまくない声楽パートとうまくないガンバのコンソートは実によく支えあうことができるということです。1600年代の声楽曲はとても歌いにくく、下でガンバの音がなっていると安心できます。また声楽のよく伸びる音色は(声に比べて)貧弱なガンバの音色を十分補ってくれます。
それにしても、2か月足らずで、リュートを弾くのはほんとに大変でした。どうせ聞こえないだろうなどと思ったら、ルネッサンス音楽の環境ではよく聞こえるのです。必死でさらったのですが、どこに出しても恥ずかしいリュート弾きといわれました。

このようなことをしているうちに、415Hzの楽器を持っていても仲間がいないのでアンサンブルができない。だから設備のそろっている私の所で415の会をやりたいという先輩の話があり、415の会が始まりました。

ルネッサンスから受け継いだ、素人集団、楽器の掛け持ちは当たり前というルールを踏襲して415の会が2年くらい前から始まりました。現在の会はどなたでも参加は自由ですが7-8人くらいです。Rec, Traverso, Oboe, Fagotto, Violin, Viola, Vcx2, Cemx2で1時くらいから終電までということになっています。5時くらいからはお酒が入っています。 (掛け持ちがあるので楽器の数と人数は一致しません)

肝心のガンバの評価は、別の機会にご報告しますね。

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